2011年10月


1日●……
【解説】 今日は成田→ドバイ→南アフリカへと移動。あまり眠れなかったため夢は見ていない。


2日●江戸時代のお化け屋敷のような家

ぼんやりとした薄暗がりの中。気づいたとき私は不思議な家の中に迷い込んでいた。その家は――言葉で表わすのが難しいのだが――芝居の舞台の上に設(しつら)えられた造り物のような雰囲気で、天井が驚くほど高い。その天井から床まで、ごく薄い御簾(みす)のような物(あるいは和風のレースのような物?)が下げられている。そのため、中の様子はますますぼんやりとしか見えない。御簾越しに、家具や布団などが見えたと思う。果たしてそこに人がいるのかいないのか、いるとして生きた人間なのか幽霊なのか、それすらもわからない。これは現実なのか芝居なのかと思っているところで目が醒めた。
【解説】 一種の幽玄の世界を見てきたような気分になる夢だった。そういえば数日前にインド人を連れて日光江戸村へ行ったから、あるいはそれが今夜の夢に繋がっているのかも知れない。



3日●肥溜めに落ちて第二の人生が始まる
汚い話で恐縮だが、気がつくと日本昔ばなしに登場する肥溜めのような物が目の前にあって、次の瞬間にはその中へ落ちていた。なぜか少しも臭くはないし呼吸も普通にできるのだが、どこまで行っても汚い汚泥の中なので、ひょっとしたらここで一巻の終わりなのではないかと思う。肥溜めはトンネルのように左右に曲がったり上昇したり下降した挙句の果てに、どこかにザブンと顔が出た。ようやく助かったかと思いきや、頭の2〜3センチ上には細かな目の柵があって外に出ることができない。やはり私はここで死ぬのかと思う。しかしその後状況が逆転し、何がどうなったのか詳細はわからないが、私はどこかとんでもなく不思議な場所に泳ぎ着いて、思いがけないほど輝かしい第二の人生を始めるのだった。
【解説】 第二の人生を始めるにあたって肥溜めに落ちて死にかかるという、物騒というか何というか、現実では絶対に起きて欲しくないストーリーであった。まあ、第二の人生とやらを始めるならそれぐらいの危険を覚悟しろということだろうが、それにしても喩えが汚い(苦笑)。この夢は旅先(南アフリカ)のホテルで見た。



4日●ペンギンと一緒に氷河を滑り落ちる
気がつくと私は雪山のてっぺんで大きなペンギンと向き合い、手を繋いでいた。そこへいきなり雪崩が起こり、私たちはそのへんの杉の木を次々になぎ倒しながら、怒涛のように一気に山を滑り落ちて行った。滑り落ちてゆくペンギンと自分の姿を山の上で傍観しているもうひとりの自分がいる。そのあとペンギンと自分の身の上に何が起こったのか、まるで覚えていない。
【解説】 実は昨日から休暇で南アフリカ共和国に来ている。言ってみれば遅い夏休みだ。来るまでは漠然と(せっかくアフリカへ行くのだからライオンが見たいな)などとトボけたことを考えていたのだが、そういえば南アにライオンはいない。そんなこと、小学生の頃から知っていたはずではないか。それで今では(じゃあ、代わりにペンギンを見に行こう)と考えを改めている。おそらくそのことが今夜の夢の理由だろう。この夢も旅先(南アフリカ)のホテルで見た。



5日●いつもの仲間と行った店で大地震に遭う
いつもの仲間(P美さん、Tさんご夫妻、Sリエさん、Yさん)と一緒に食事に行った。そこはロッジ(山小屋)のような木造の古い建物で、部屋の中心部分が(塔のように)非常に高くなっているのが印象的だ。そのてっぺん付近からランプシェードが垂れている。シェードに繋がる電気コードが非常に印象的だったのだが、どのように印象的だったか思い出すことが出来ない。そこへいきなり大地震が襲った。「テーブルの下に隠れて!」と皆が口々に叫びながらテーブルの下に潜り込んだところで電気が落ち、あたりがすーっと暗くなった。そのあとのことは全く思い出せない。
【解説】 業務連絡。P美さん、Tさんご夫妻、Sリエさん、Yさんへ。今夜はこんな恐ろしい夢を見ました。このメンツでこのような雰囲気のお店に行くことは避けたほうがよさそうです。この夢も旅先(南アフリカ)のホテルで見た。
【後日談】 この夢を見てから約1ヶ月後の11月12日、神奈川県秦野市で友人らと蕎麦屋に行った。メンバーにはP美さん、Tさんご夫妻、Sリエさんも含まれていた。店に入った瞬間、(あれ? どこかで見たことのある店だなあ)と思ったのだが、その時はみんなと一緒にワイワイしていたこともあり、 あまり深く気にも止めなかった。しかしあとになって、その蕎麦屋が10月5日の夢で見た建物に酷似していたことを急に思い出したのである。細部は違っていたが、おおかた「そっくり」と言って良いほど、実によく似た建物だった。あのとき(つまり秦野で蕎麦屋に入ったとき)、そこにはYさんがいなかったのだが……あのときYさんがいたらどうなっていたのだろう。……と、ふと思って背筋が寒くなった次第である。「Yさん、あのとき欠席してくれてありがとう」と言っておくべきなのかも知れない。



6日●詰まった紙を取り除くとアイデアが浮かぶ
名刺ほどの大きさのプラスティックが2枚重なった紙挟みのようなものがある。そのあいだにベージュ色の紙ナプキンがギュウギュウと押し込められていて、私はそれを非常に見苦しいと感じている。紙ナプキンを取り除いた途端、私の脳裏に何か素敵なアイデアが浮かんだ。それは新しいビジネスに結びつく何かだったのだが、どんなアイデアだったかは思い出せない。
【解説】 とても短い夢で、あまりストーリーらしいものもなかったのだが、最後の腑に落ち方というか、「なるほど!」とスッキリする感じが実に気持ちの良い夢だった。この夢も旅先(南アフリカ)のホテルで見た。



7日●ダンボールの敷き詰められた部屋
どことなく芸術的な部屋。床の上に大きなダンボールが何枚も敷き詰められている。ここは日比野克彦さんの部屋だな、と勝手に思う。最上段のダンボール紙を1枚取り除くと、日比野さんのお顔を象ったレリーフ(あるいは御本人?)が現われた。
【解説】 ダンボールといえば日比野さんだ。この手の藪から棒な夢を数年に1度は見るのだが、おそらく特に意味はないのだと思う。この夢も旅先(南アフリカ)のホテルで見た。



9日●……
【解説】 今日は南アフリカ→ドバイ→成田への移動日。飛行機の中で一睡もせずに映画を観まくっていたため、夢は見ていない。



9日●別の何かに変換可能な赤いキューブ
すぐ目の前に、直径10センチ程度の赤いキューブ(立方体)が見えている。つやつやと光沢のある、とても綺麗な赤色だ。箱の外側に何か数字が書いてあった気もする。また、箱は複数存在していたかも知れない(仮にその場には1個しかなかったとしても、この世にはたくさんの赤い箱が存在しているようだ)。この箱は、ある一定の価値を持っており、何かに変換することが可能だという。その意味では通貨のようなものかも知れないが、通貨と違うのは、この箱が「心」のような抽象的価値を一定の数値に置き換えて別の何かに変換する機能を持っていることだ。私はクリスマスパーティーに出席しており、数十人の白人と一緒だったかも知れない。しかしそのあたりの詳細は思い出せない。
【解説】 南アフリカから帰国して最初の夜に見た夢がこれ。つやつやと綺麗な赤い色に、力強いエネルギーと明るい未来が一杯詰まっているイメージを感じた。



10日●幸せな時間
多すぎもせず、少なすぎもしない人数の集まり。暖かな雰囲気。幸せがぎっしり詰まった時間。
【解説】 今夜の夢には具体的なストーリーがあったと思うのだが、起床してみるとこんな曖昧なイメージしか思い出せない。



11日●猛ダッシュして来る2匹のイノシシ
藪の中。突然、親子らしき大小2匹のイノシシが猛烈な勢いで突進してきた。まるで劇画のように、2匹の周辺にはペンで描いたような砂煙が上がっている。呆然とたたずむ私のすぐ前を横切って、イノシシはどこか藪の奥へと駆けて行った。
【解説】 実は今月に入ってから2度、山小屋の庭にイノシシが出たのである。ここに暮らし始めて28年ほどになるが、庭でイノシシを見るのは今回が初めてだ。そんなわけで最近、私の頭の中はイノシシのことで一杯(笑)。今夜はそれがそのまま夢になったということ。



12日●四角錐を磨く
前後関係を思い出せないが、私は高さ30センチほどの四角錐(あるいは三角錐?)を磨いている。材質は、少し灰色がかった大理石のような石で、とても深い光沢がある。それをさらにピカピカにすると、何か良いことがあるらしい。
【解説】 ただただ一生懸命に四角錐を磨くという、なんだか意味のわからない夢だった。夢の中で四角錐を磨きながら、私はとても楽しかったような気がする。



13日●……
【解説】 今夜はほぼ徹夜で読書をしていたため、夢は見ていない。



14日●のどかな銀行強盗
一組の白人男女が銀行の前に立っている。年齢は20代後半から30代前半といったところか。彼らはこれから銀行強盗をするらしい。私はそのことを知ってはいるが、特に気にする風でもない(頼まれれば手伝ってあげてもいいと考えている)。絵本のようにのどかな雰囲気。温かな午後のひだまり。近くにはおじいさん、おばあさんがいたような気もする。
【解説】 文字に書いてみると無茶苦茶な夢だが、全体の雰囲気はあくまでもゆったりとして、とても楽しげだったのだ。あのあと男女は強盗をしたのだろうか、しなかったのだろうか。そのあたりの記憶は残念ながら全くない。



15日●長い包帯を吐き出す雑技団の少女
道の曲がり角に車が停まっている。車をその場に縛り付けておくためには、短い紐が必要だ。紐を探していると、目の前に立つ中国人らしき少女の姿が目に入った。この子は雑技団に勤めている子で、口の中には常に剣やら紐やらを隠し持っているのだという。私は近くにいた男女の助けを借りて、少女の口から紐を引き出そうと試みた。すると口の中からは紐ではなく、なんと包帯が現れたので、私達は包帯を引っ張った。驚いたことに、包帯は引っ張っても引っ張っても際限なく出てくる。1メートル、2メートル、3メートル……。おそらく10メートルは引き出したと思うのだが、まだまだ終わる気配がない。包帯の一部には少量の血が付いていたかも知れない。あまりにも長い包帯を吐き出す少女を、私は次第にブキミに思い始めている。
【解説】 今夜の夢で私がしたかったことは「車をその場に縛り付けておくこと」だったのだ。そもそも何故、そんなことをする必要があったのか、そのあたりの理由がまったくわからない。そのあと唐突に雑技団の少女が現われ、口から長い包帯を吐き出すという展開にも意表をつかれる(事実、夢の中で私自身がそのことをブキミに感じていた)。包帯に少しだけ血が付いているように見えたのは、この夏、喉を痛めて病院に行ったことと関係しているのかも知れない。ともあれ奇妙な夢だ。



16日●埃っぽい道で動物を待つ
砂埃が舞い上がる乾いた道。カンカン照りの太陽。ここはアフリカのどこかだと思うが確証はない。私はトラックを待っているのかも知れないが、それもよくわからない。ここにいれば、おそらく動物に会えるのだと思う。それはとても珍しい動物だ。大きさは豹やチータぐらいだと思う。しかしそれ、あくまでもイメージ。すべての記憶は蜃気楼のよう朦朧としている。にもかかわらず私の気持ちは浮き立ち、待つことが少しも苦にならず、この場で踊りだしたいほどだ。
【解説】 今夜の夢には物語というか、何か具体的な進展があったように思う。しかし思い出せない。すべては砂埃の中。あるいは今夜の夢は南アフリカの残像だったのかも知れない。



17日●赤提灯の下で字を書く
夜の町。大きな赤提灯の下。人々が徘徊する気配。心地よい人いきれ。ここは現代かも知れないし江戸時代かも知れない。そういえば髷(まげ)を結った人を見たような気がする。しかし私は黒いコートを着て(つまり現代の衣装で)提灯の下にたたずんでいる。バッグから小さな紙片を取り出して何かを走り書きした私は、それを誰かに渡したと思うのだが、誰に渡したか、何を書いたかは思い出せない。
【解説】 目が醒めてから、そういえば今夜の夢には人の気配はしたが、誰の顔も見ていないことに気づいた。私は「顔のない夢」をよく見る。それで急に思い出したが、小学5年生ぐらいの時には『顔のない男』という短編小説を書いたこともある。自分の心理を探る上で、これは大変興味深い事実だ。もっとも、夢に登場する人物はほとんど自分自身の投影なのかも知れないから、そういう意味では、顔があってもなくても大差ないかも知れないが(どうせ総て「分身の術」で出した自分なのだし)。



18日●高さ5センチほどの煙突とダミー
テーブルらしき平面があり、その上に立方体の突起物が乗っている。高さはわずか5センチほどしかないが、どうやらそれは煙突らしい。ほかにも似たような立方体を4つか5つ見たと思う。そちらは煙突ではなく、ダミー(または偽物)のようだ。
【解説】 何のことやら全く意味不明な夢。煙突にも思い当たる節はない。



19日●……
【解説】 今夜も夢を見た。見たという記憶は残っている。ところが目が醒めてすぐに立て続けに数回クシャミをしたところ、見た夢を忘れてしまった。そんなバカなと言われるかも知れないが、そういうふうに夢を忘れることもあるのだ。ひたすら残念。



20日●毛むくじゃらな生き物と洞窟に籠もる
洞窟の中。今はまだ、人類が人類になりかけの時代なのだと思う。洞窟の外にはマンモスやらクマやらトラやら、さまざまな危険生物が徘徊しているらしい。私達は洞窟の中でじっと息を殺している。しかし不思議に恐怖の感情はない。私は毛むくじゃらな生き物に守られていて、そのふわふわした感覚が心地よいと感じている。狩りに出かけていた仲間(大学の同級生だったT君に似た原始人)から肉が配られ、(そういえば私ベジタリアンだよね。でも今の時代はそんなこと言っていたら餓死しちゃうから何でも食べることにしよう)と思いながら肉を受け取った。その肉は、いわゆる漫画に登場するような「両側に飛び出した骨を手で持ってガツガツと齧りつく肉」で、とても美味しそうに焼けていたと思う。肉を受け取ったところで目が醒めた。
【解説】 数日前に読んだ『男の凶暴性はどこからきたか』(リチャード・ランガム著, 三田出版会刊)という本の中に、霊長類のオスの凶暴性、特にチンパンジーと人間のオスに見られる暴力の共通項について興味深い記述があった。おそらくそのイメージが今夜の夢になって現われたのだろう。また今月は実生活でもアフリカへ行ったり、山小屋にイノシシが2匹+キツネが1匹現われるなど、かなりアドベンチャラス(?)な体験をしている(しかも実際に私はブースケという毛むくじゃらな生き物と一緒に寝ているし)。これらを総合すると、今夜のような夢を見るのはむしろ当然かも知れない(笑))。



21日サンタクロースからプレゼントをもらう
前後関係はわからないが、サンタクロースがやって来た。(ずいぶん藪から棒な訪問だな)と私は思い、彼の訪問を意外なこととして捉えている。サンタクロースには、何か人には言うに言われぬ事情があるのかも知れない。そのあと小さなプレゼントを手渡されたと思うのだが、包装を解く前に目が醒めてしまった。
【解説】 せっかくプレゼントをもらったのに、何をもらったか確かめる前に目が醒めてしまったのは残念である。それにしても季節外れな夢だこと。



22日●薔薇めいた四角い海
四角い小さな水たまり。しかしそこはプールではなく海らしい。周縁部を歩いてみた。海の縁(ふち)の部分が細かなフリルで覆われており、まるで薔薇の花弁が重なっているようだ(ただし立体的ではなく平坦)。不思議な海だと私は思っている。
【解説】 まるで意味のわからない夢。「海」という言葉から一般に想像されるような「広さ」「広がり」がこの夢には少しも感じられなかった。「薔薇めいた海」という表現もおかしいが、まあ、そう思ったのだから仕方があるまい。



23日●変わった形の帽子
最初に何か「うっとりするような」楽しいストーリーがあって、気がつくと私の目の前には変わった形の帽子があった。「円柱形」と言うと却って分かりにくいかも知れないが、上から下まで寸胴(ずんどう)の、長い円柱の一部を輪切りにしたような形の帽子。色や質感は思い出せないが、いかにも王族がかぶりそうな高貴な雰囲気が漂っている。
【解説】 今夜の夢のストーリーにも王族が登場したような気がするが、詳細は覚えていない。印象に残っているのは帽子だけ。何かを象徴するようなたたずまいだったが、さて、何を象徴していたのだろうか



24日●「J.E.」は何の略?
目の前に「J.E.」と書かれた紙(?)がある。私はそれを一目見るなり「ジュテーム」の略だと思うのだが、改めて考えるとJe t'aimeを無理に略せば「J. T.」になるはず。それじゃ「J.E.」って何の略なのだろう、と思い悩んでいる。
【解説】 ときどきこういう意味のわからない暗号のような夢を見る。こういう夢に果たして何か深い意味はあるのか、それとも単なるランダムな文字や数字の組み合わせに過ぎないのか。こうやって長期にわたり夢日記を付けていれば、そのうち意味がわかってくるでしょう。



25日●脱穀機の使い方を学ぶ
藁(わら)の匂いのする部屋。見知らぬ場所だが、おそらく農家の蔵の中だと思う。私は脱穀機の使い方を学んでいるようだ。しかし先生の姿は見えないし、目の前にあるのは脱穀機ではなくイノシシだったと思う。
【解説】 またしてもイノシシの夢である(苦笑)。今月は山小屋の庭に本物のイノシシが大小2頭も出た。その強烈なイメージが脳裏にこびりついているので、こういう夢を見るのだろう。それにしても脱穀機とは唐突である。とりあえず米作りをする予定は今のところないし、家のまわりにも脱穀機は置いていない



26日●……
【解説】 今夜は友達の家で「オール」をしたため夢は見ていない。



27日●オタクになることの意義
中学生ぐらいの少年が5人、電車(おそらく小田急線)の中で話し合っている。ひとりが「オタクになることのメリットって何だよ」と言うと、別のひとりが「じゃあ、デメリットは何だよ?」と応じた。3人目が「社会的な見た目が悪い」と言い、4人目(後ろ姿なので私からは背中しか見えない)が「隠せばいいじゃない?」と答えた。5人目(やはり後ろ姿)が「普通に文学作品として楽しむだけでいいじゃん、なんでそういうことを現実世界に持ち込むの?」と反論した。私は携帯電話をいじっているふりをしながら少年達の会話に耳を傾け、(彼らは彼らで考えているんだな)と思っている。
【解説】 ひどくリアルな雰囲気の夢だった。少年達の言葉遣いや声のトーンまで耳に残っていて、夢でありながらまるで現実に電車に乗って来たような感覚が残っている。



28日●海の見える城にて
知らない場所。断崖絶壁の淵に城が建っている。すぐ横は海。海と城のあいだには細い階段が設えてあるのだが、あたりは起伏の激しい地形のため、階段も登ったり降りたり蛇行したりと、ひどくワイルドだ。城の中には誰がいるのだろう。私は誰かに逢うことになっていたような気がするが、それが誰だったかは思い出せない。。
【解説】 今夜の夢で見た風景は、今月の初めに訪れたケープタウンの先端(喜望峰)近くによく似ていた。



29日●ピンクの布を纏ってオリンポスの神々を演じる
豪華な雑誌。ページをめくると見開き2ページで神々の写真が掲載されていた。しかしよく見ると、それぞれは私の友人である。彼らはピンクの布を纏い、紺碧の海の前に思い思いの姿勢で立ってオリンポスの神々を演じているのだ。私も神の一人だ。カメラマンの腕が良いのだろう、なかなか上手に撮れている。この企画の演出は女優のYちゃんだという。(なるほど彼女らしい企画だ)と思い、感心しながら写真を眺めている私。
【解説】 神々を演じる人々。しかも自分もその一人だという。それだけでもインパクト十分な夢だが、個人的に最も印象に残っているのは、全員が纏っていたピンク色の布だ。その透明感・清潔感・何とも言えない色香。今夜の夢は、それが1枚の写真に収められた静止画像だった。いわば作品のような夢。完成度の高い夢。



30日●伝説の赤い犬
柴犬のような秋田犬のような、しかしそのどちらでもない赤い犬がすぐ近くにいたようだ。赤といっても真紅ではなく、どちらかというと赤みを帯びた茶色の犬に過ぎなかったのだが、夕暮れなのだろう、あたりが赤い光に染まっていたために妙に赤毛に見えたのだ。私は心の中で(これが伝説の赤い犬か)と思っている。
【解説】 今夜の夢にはもう少し複雑なストーリー(心理的な)があったような気がする。しかし思い出せない。ちなみに「赤い犬」「伝説」でググッてみたところ、確かに赤い犬の伝説というものが在るらしい。それによれば漁師が白い犬を連れて洞窟に入ったところ、目がひとつしかない女(妖怪)に会い、その恐怖で犬の毛が赤くなったというものだ。そんな伝説を私は知らなかったのだが……。夢に出てきた「伝説の赤い犬」は、それとは無関係な気がする。



31日●人生はいつだってやり直せる

複数の場所、複数の人々が現われて、その都度さまざまな出来事が起こった気がする(しかし具体的な出来事は思い出せないのだが)。そして最後に必ず「人生はいつだって、何度だってやり直せる」という言葉で締めくくられる。最後に現われた場面は四角い部屋で、中央に向かって律儀なほどきちんと正方形を描いて机が並べられている。若い女性が何かを運んできた。そこにも「人生はいつだってやり直せる」のメッセージがあったようだ。私は(そうだよ、そのとおり!)と納得している。
【解説】 今夜の夢には具体的なイメージがほとんど残っていない。残っているのは「人生はやり直せる」というポジティブなメッセージのみ。とはいえ私自身は人生をやり直したいとは少しも思っていない。なぜこんな夢をみたのか意味不明。





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