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2020年4月26日(第646号

今週のテーマ:
7日間ブックカバーチャレンジ~第4日目
 
ここ数日「本の紹介文」ばかり書いておりますが、逆に私が書いた本を絶賛してくださっている方からご連絡がありました。
『アッチャー・インディア 読んだり聴いたり考えたり』という人気サイトを主宰していらっしゃる軽刈田凡平(かるかった・ぼんべい)さんがその方で、同サイトの4月24日号で拙著『インド大魔法団』と『マンゴーの木』を熱く紹介してくださっているんです。
出版してから20数年も経った2冊を絶賛していただくとは、まさに作家冥利に尽きますね。

題してインド魔術の神秘に迫る!山田真美さんの名著『インド大魔法団』『マンゴーの木』
こちらからお読みいただけます。
 Day 4 of the seven-day book challenge:

 ネット上で流行中の「7日間ブックカバーチャレンジ」。

7日間ブックカバーチャレンジ
~第4日目~


    『シェイクスピア全集』
     ("The Complete Works of William Shakespeare")
 今日ご紹介するのはシェイクスピアです。

 はい、そうです、『ロミオとジュリエット』や『ハムレット』や『リア王』を書いた、超有名なシェイクスピアです。

 今さら説明する必要はないかも知れません。

 しかし今日のオススメは、翻訳版ではなく、あくまでもシェイクスピアが書いた原語(古典英語)を収めた全集です。そこのところ、よろしく。

 さて、私自身のシェイクスピアとの出会いは高校1年生のときでした。

「なんとなく面白そうだな」

と、直感だけで入った部活(英語劇部)で出会ったシェイクスピア作品。

 笑っちゃいますよね。何も知らない15の小娘が、いきなり古典英語で"King Lear"(リア王)を読み、演じるハメに陥ったのですから。

 言ってみれば、それは出会い頭の恋みたいな感じでしたね。うふふ。

 それまでも英語は大好きでしたが、たかだか田舎の公立中学校で3年間勉強しただけの語学力ですから、どんなに頑張ってもシェイクスピアを読めるわけがありません。

 今にして思えば冷や汗モノですが、しかし、物を知らないということは強いですね。
 シェイクスピアがどんなに凄い化け物であるかも知らず、とにかく私達は"King Lear"(『リア王』)の初演に向けて走り出してしまったのですから。

 みんなで英語劇をやるのですから、一人でも抜けたら劇ができない。
 割り当てられた役のセリフを必死で暗記しましたよ、ええ。

 やがて、毎日毎日稽古を重ねる中で、シェイクスピアが紡いだ言葉の中に、何か凄さまじいほどのエネルギーを感じるようになったのです。

 ストーリーが凄いだけではなく、言葉一つ一つが凄いのです。
 言葉が魂を持っていて、まるで生き物みたい。

 鳥肌が立ちました。

「シェイクスピアを原語で読んで理解できるようになりたい!」と心の底から思いました。

 これが私のシェイクスピア体験の原点だったわけですね。

 そして、その後の私がどうやら英語を使いこなせるようになった原因(というかモチベーション)の一つも、15歳でのシェイクスピアとの出会いにあったのです。

 以来、私の書棚には必ず原語の『シェイクスピア全集』が常備されています。
 読み込んで、もうボロボロですが。
 ちなみに写真右下にちょこっと見えている"Hamlet"は高校3年の時に買った蔵書です。

 ああ、それからね、シェイクスピアの言葉って西洋世界ではけっこう日常生活の中で普通に――慣用句的に――使われたりするんですよね。

 そういう言葉を知っていて、さり気なく使ったりすると、

「お、こいつ学があるな」

と一目置いてもらえたりします。
 使い方を間違えると、ちょっとキザっぽいけどね(笑)。でも大事なことよ。

 日本語に「病(やまい)膏肓(こうこう)に入る」という言葉があります。
 辞書で意味をひくと、

「病気がひどくなり治療のしようがないこと。 趣味や道楽に熱中しすぎて、どうにも手がつけられなくなることのたとえ」

とあります。

 シェイクスピア以上にこの言葉が似合う作家って、他にいないかも知れません。

 シェイクスピアを好きになるということは、惚れるということです。
 のめり込み、手がつけられなくなるということなんです。

 彼は言葉のマジシャン
 彼の作品は深い深い言葉の樹海

 一度溺れてしまったら、抜け出ることは極めて難しい。
 でも、だからこそシェイクスピアは面白い

 志願者はぜひぜひ、溺れてみてください。
 責任は一切取りませんけど。


 明日(第5日目)へと続く。


※なお、無料でシェイクスピア(原語)の全作品を公開しているサイトがこちらにあります。ご参考まで。
★「ブックカバーチャレンジ」とは?
★読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊7日間投稿するというもの
★ルール
 ①本についての説明はなしで、表紙と画像だけアップ
 ②毎日お気に入りの1冊を投稿してみます。
 ③その都度1人のフェイスブックフレンドを招待し、チャレンジへの参加をお願いする。
 ▼・ェ・▼今週のクースケ&ピアノ、ときどきニワトリ∪・ω・∪


庭一面に草が茂って参りました♪

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2020年4月26日
山田 真美
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