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2010年9月15日号(第398号)
今週のテーマ:
インスピレーションの源は
★ 仏教エッセイ ★
真言宗のお寺・金剛院さんのウェブ上で『仏教一年生』と題したエッセイを連載中です。第28回のテーマは「日本人、最高!」です。左のロゴをクリックしてページに飛んでください。

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★ナマステ・インディア2010★山田真美講演会
とき:9月25日(土)15:00〜16:30  ところ:たばこと塩の博物館(東京都渋谷区神南1-16-8)※講演会は無料ですが、博物館料金(大人300円)がかかります。あらかじめご了承くださいませ。
講演タイトル:神々が選んだ国インド(2)―500人の魔法使いから教わったこと
INDIA: The Country that Gods Chose (Vol.2) ― Things I've Learnt from 500 Magicians
※秘蔵写真をふんだんに使ってインドの不思議をお話します。ふるってご参加ください。


  
 先日は5人の Indian girls を連れて山中湖への珍道中を繰り広げてきたのですが、その話は『仏教一年生』で読んでいただくとして……、

  
山中湖への途中で立ち寄った忍野八海にて、生まれて初めてのワインにチャレンジする5人組(+私)


  
お蕎麦屋さんで箸の使い方に戸惑う5人組


  
「何よりも花が見たい!」という希望に応えて立ち寄った花の都フラワーパークにて


  
山中湖にて。この直後に雲が晴れ、富士山が裾野まで姿をあらわしました
 ……今日のテーマは「インスピレーションの源(みなもと)」です。

 話を始める前にまず、インスピレーションとは何か
 これを定義しておきましょう。

 アルクの辞書的には、「inspiration」の訳語として、

(1) 創造的思考に対する刺激、鼓舞 ←これがメインの意味ですね。
(2) 人の創造性を刺激・鼓舞する人[もの]
(3) 創造的思考状態、創造性
(4) ひらめき、素晴らしい思い付き
(5) 霊感、啓示 ←個人的には、こちらもかなり的を射た訳語のように思います。
(6) 吸気、吸息

が挙げられています。

 さてさて、なぜ唐突にインスピレーションの話など始めたかと申しますと、実は先日、東京藝術大学で「藝祭」という名の毎年恒例の大学祭が行なわれまして……
  
藝の「祭」らしく、あちこちにオリジナル神輿が置かれていました。さすがは藝大、完成度メチャ高し!


  
そしてエロい(笑)
……その中のイベントの一環として、日本文化デザインフォーラムのメンバーによるトークセッションが設けられたのですよ(監修 by 日比野克彦さん)。

 具体的に申しますと、あらかじめセットされた4人(ないし3人)が一組となって、ひとつのテーマについて1時間討論する(あるいは好き勝手に語る)というセッション。

 私は、第4グループ、14:00からのセッションで、クリエイティブディレクターの榎本了壱さん、陶芸家の大樋年雄さん、占星術研究家の鏡リュウジさんとご一緒でした。
  
イベント告知ポスター(左)と、日比野さんがボードに手書きした当日のスケジュール表(右)
 それでですね、何が面白かったかって、このセッション、討論のテーマ自体は事前に知らされていなかったんです。

 あらかじめ藝大の生徒さんたちが考えた複数の「質問」が箱の中に入っており、その場で1枚を引いていきなり討論を始めるというルール。

 言ってみれば「くじ引き」形式だから、討論への準備は不可。
 何が出るかわからないぶっつけ本番
 逃げ場がないので、ひとりひとりの生きざまが問われます(苦笑)。

 ちなみに私、ちょっと時間があったので第2グループ(佃一可さんや千葉麗子ちゃんたちのグループ)の討論会を見学に行ったのですが、彼女たちが引いた質問は、

「日本の伝統を現代アートにどう生かすか」

でした。

 うーん、ストレートというか素直な質問で、正直ビックリ。
 アーティストの卵たちだから、もっと意地悪で爆発力のある質問が出るんじゃないかと、私は勝手に期待していたのですが。

 ほかのグループに出された質問も良くも悪くもおとなしい内容ばかりで、われわれが頭を抱えるような難しいものはひとつもなかったようです。

 こっちはみんな海千山千のオトナばかりなのだから、魂を揺さぶられるようなとてつもない質問があっても良かったんですけど(笑)。
  
(左)「日本の伝統を現代アートにどう生かすか」をテーマに討論した12:00〜の部。左から寺門
孝之さん、千葉麗子さん、小笠原敬承斎さん、佃一可さん (右)ステージから見た客席の様子
 さてさて、そうこうしているうちに私たち第4グループの番がやって参りました。
 「グループの紅一点だから」という理由で私がくじを引かせていただき、当たった質問は、

「あなたにとって一番のインスピレーションの源は何ですか」

ですって!
 これには私、考えるまでもなく即答しちゃいましたよ。

「インスピレーションの源って、そんなの“恋”に決まってるじゃありませんか。恋以上にスゴイものはないでしょ。あったらどこからでもかかって来い、受けて立つ!」(会場内、爆笑)

……ってね(笑)。

 私は恋愛至上主義とは言わないまでも、恋をしなくなったら死んだも同然だと思っているんですよ。

 たとえばブースケ空海に対する私の感情、これは、たぶん恋ですね。

 それから、私が初めてインドを知ったときのドキドキ感、あれは間違いなく恋でした。
 それも大恋愛。あのときの恋に落ちる落ち方は、われながら凄かった。

 そして、この恋の結果として、私はインドをテーマにいくつかの作品を残しているわけですし(現在進行形)。

 恋とは、損得勘定なしの行動と感情であり、ハプニング(何かが起こること)だと思う。
 ピュアでありながら残酷。時には命を賭けなければならない。
 けれども、ありとあらゆる芸術がそこから生まれる

 「インドに恋をしている」という私の発言に対して榎本さんが、

「人間以外のモノを恋の対象に入れるのは……ズルイ」(笑)

と笑いながら否定なさったのですが、ズルイなんてことはないと思うな。むしろ恋愛対象を人間に限ってしまうなんてモッタイナイじゃないですか。

 「インドに恋をした」という私の発言に対して、鏡リュウジさんが大きくうなずきながら、

「よくわかります。つまり出会いがしらですよね」

と言ってくださったのが、とても印象的でした。
  
「あなたにとって一番のインスピレーションの源は何ですか」をテーマに討論。
左写真の右端に映っているのは、客席から挨拶する日比野克彦さんの腕(笑)



左から榎本了壱さん、私、大樋年雄さん、鏡リュウジさん(Photo by サエキけんぞうさん)
 ……というわけで朝から晩まで1日ぶっとおしのブレイン・ストーミング、聞くのも喋るのも楽しかった!

 皆さんも、何か思いがけないテーマ(虚を突かれるような意外なテーマのほうが勉強になると思います)を第三者に考えてもらい、そのテーマに沿って何人かで徹底的にトークしてみるなんていかがでしょうか。

 普段は考えたこともないようなことを考え、具体的に言葉に出してみることで、意外な発想が開けたり、知らなかった自分と出逢えるかも知れませんよ!

  
打ち上げ飲み会のワンシーン。酔っ払っても日比野さんとのツーショットだけは忘れず(笑)
 予定調和ばかりの生き方は、心にも体にもよくありません。
 たまにはブレイン・ストーミングをして人生を活性化いたしましょ。

 ではでは♪
▼・ェ・▼今週のブースケ&パンダ∪・ω・∪


パンダがブレイン・ストーミングするとこんな顔?!

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2010年9月15日
山田 真美
※ウェブサイト「山田真美の世界」10周年記念プレゼント(9月末日締め切り)のお知らせはこちらをご覧ください!

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