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2021年4月12日(第663号

今週のテーマ:
空海と奈良時代
 ご無沙汰しているあいだにすっかり春ですね。
 皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。

 さて、週マを読んでくださっている方の多くはご存知と思いますが、私は数年前から空海をテーマとした小説を書き下ろしております。

 あまりにも時間がかかっているので、

「ひょっとして永遠に完成しないのでは?」

と心配してくださる向きもあるのではないかと思いますが(汗)、ご安心ください。
 亀のようにゆっくりとではありますが、今も着実に原稿を書き進めておりますので。

 ではなぜこれほど時間がかかっているかといえば、主な原因は、空海が子ども時代を送った奈良時代現代からあまりにも遠いことにあります。

 今回、小説の大きなストーリー構成はしっかり出来ていますし、章立てや目次も早いうちから完成しているのですが、細かな部分、つまり奈良時代の日常をいちいち歴史考証することにトンデモナイ手間暇がかかっているんですねえ。

 ここ暫くは、そうした歴史考証をするために国立国会図書館のお世話になりっぱなしです(深謝)。

 さすがに国会図書館は史料が充実していて助かります。
 できることなら隣に引っ越したいぐらい。

※実際は、図書館の隣には国会議事堂が建っていますから暮らすことは出来ません💧
 念のため。

国会議事堂の真横にある国立国会図書館。コロナ
対策のため、事前予約がないと入館できません。
 では、それほどまでに時間がかかっている奈良時代の日常の歴史考証とは具体的にどんなものなのか。ここで一つわかりやすい例を挙げますね。

 たとえば今、空海が食事を終えて歯磨きをしようとしているとします。

 その場合、歯ブラシはどんな素材で出来ていて、どんな形状で、名前は何というのか。
 ハミガキの成分は何で、見た目はどんな感じで、味や匂いはどうなのか。
 それぞれのお値段は?
 売っているお店はどこにある?
 お店にないとしたら、どこで手に入るのか?
 いや、それ以前に、そもそも当時の日本人は歯磨きをしたのか?

 ……などなど、まさに疑問山積ですよね。

 つまり、

空海は歯磨きをした

というひとこと書きたいばかりに、さまざまな文献にあたり、それで足りなければ古代の歯磨き事情に詳しい方にお目にかかって話を聞き……といった地道~な作業をコツコツと続けなければならないわけです。

 もちろん歯磨きだけではありません。
 空海が朝起きてから夜眠るまでのすべての行動について徹底的な歴史考証が必要です。

 そうしなければ文章にリアリティーが生まれませんからね。
 絶対に手を抜けないわけです。

 今回の作品を書くに当たって、たった一行の文章を書くのに一週間もかかったりしている理由は、まさにここにあるんですよ。

 ちなみに、空海の時代にはひらがな・カタカナがなく、当時日本人によって書かれていた文書は基本的に漢文です。

 万葉仮名は既に存在しますが、空海の著書に関して言えば全て漢文のみです。

 この時代を理解するために欠かせない史料である『養老律令』や『延喜式』なども片端から漢文で書かれています。

 それらの文献を丁寧に読み込み、一つ一つの疑問を解決しながらストーリーを展開してゆく。
 そんなことを始めてから、もうかれこれ3年半になるわけですよ、ええ。

 なんだか私、この執筆を通じてとんでもなく忍耐力が付いたような気がするんですけど、気のせいでしょうか(苦笑)。

 ひきつづき頑張りますので、ご贔屓のほど、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
↓おまけ写真(最近の主な出来事)↓



6歳になった孫娘と2人、お台場の大江戸温泉物語に行って
まいりました。彼女が私同様の温泉大好き人間でよかった!
写真はカラフルな花が浮かんだ足湯。



我家の庭でようやく咲き始めた紅梅の花。



4月10日、いきなり寒の戻りに襲われた山小屋。
なんと庭の水道管が凍結してしまいました!
※翌日には春の気候に戻りましたのでご心配なく。
 今週末は100歳のお誕生日を迎えた知人のバースデー・パーティに出席してまいります。
 コロナ対策をしっかりして、大事な節目となるお誕生日を心をこめてお祝いしてこようと思います。

 皆さまも健やかな春の日々をお過ごしくださいますように。
 ではでは♪
 ▼・ェ・▼今週のクースケ&ピアノ、ときどきニワトリ∪・ω・∪


江戸幕府御用達犬(笑)、狆(チン)のピアノは
去る4月4日で無事3歳になりました。

(※前号までの写真はこちらからご覧ください)
事事如意
2021年4月12日
山田 真美
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