2024年10月20日(第712号)
今週のテーマ: カウラ事件80周年に残したい一冊の本 |
カウラ事件の発生から数えて、今年で80年。
去る8月5日には現地(カウラ)で80周年記念式典が執り行われ、私も参加させていただきました。
(当日の様子は週マ707号をご参照ください。)
1,000人超の日本兵捕虜たちが引き起こした集団自決的暴動であるこの事件は、英語ではThe Cowra Breakout(カウラ・ブレークアウト=カウラ脱走)、日本語では一般にカウラ事件と呼ばれます。
発生日時は第二次大戦末期の1944年8月5日未明。場所はオーストラリアの首都キャンベラから程近いカウラ(Cowra)という田舎町にあった連合軍の捕虜収容所。
その頃の日本には「生きて虜囚の辱めを受けず」(出展:戦陣訓)という考えがあり、敵の捕虜になることは筆舌に尽くしがたい不名誉とされました。
敵の捕虜になるぐらいなら、潔くみずから命を断つべし。
カウラ事件は、そうした日本軍の反捕虜思想と時代背景があって起こった悲劇です。
事件では、日本兵捕虜231人とオーストラリア将兵4人の合計235人が命を落としており(注:のちに死者数は微増)、その規模の大きさから、俗に「近代史上最大の捕虜脱走事件」などと呼ばれることもあります。
それで、何を申し上げたいかと言いますと、私はカウラ事件の研究者なんです。
4週間ほど前、私は『インド工科大学マミ先生のノープロブレムじゃないインド体験記』という本を出版しました。
巻末に私のウェブサイトURLを載せましたから、今日は『インド体験記』を読んでくださった多くの方が「週刊マミ自身」を読みに来てくださっているんじゃないかな、と思うのです。
そして、予期していなかったカウラ事件の話題に戸惑っていらっしゃるのではないかと想像します。
「山田真美=インド研究者」という側面しか知らぬままこのウェブサイトにたどり着いた皆さま、驚かせてしまってゴメンナサイ。
実は、私の研究テーマは「インド」だけではないのです。
「カウラ事件」も、かれこれ30年以上つづけている大切な研究テーマなのです。
ちなみに博士論文のタイトルは『カウラ事件の研究』でした。
どうか覚えておいてくださいね♪ |

ハリー・ゴードン著・山田真美訳『生きて虜囚の
辱めを受けず』(1995年発行)と
山田真美著『ロスト・オフィサー』(2005年出版)。
いずれもカウラ事件がテーマです。 |
それで、今日はひとつ朗報があります。
上の写真にも写っている『ロスト・オフィサー』をご存知でしょうか。私が博士論文を書く9年前に出版した一般書(ノンフィクション)なのですが、残念ながら版元が倒産し、絶版になってしまっていました。
この本が、このたび新たな出版社の学術シリーズに入れていただけることになりました。
埋もれさせてしまいたくない、未来に残したい本だと信じておりましたので、真摯に考えてくださる出版社さんが存在してくださったことには感謝しかありません。
それとは別に、同書は英語にも訳され、専用ウェブサイト上で2024年11月末日(予定)から公開される見込みです。
英語への翻訳は、プロの翻訳家さんではなく、私自身が手掛けました。
目下、絶賛、英語版の校正作業中!
というわけで、なかなかどうしてクースケの手も借りたいほど忙しい今日このごろですが、お蔭さまで、最近とても充実しています。
皆さまのところへも、この充実感のお裾分けが届きますように。
ではでは♪ |
▼・ェ・▼今週のクースケ&ピアノ、ときどきニワトリ∪・ω・∪

暑くもなく寒くもないこの頃、
外遊びに夢中なピアノ♪
(※前号までの写真はこちらからご覧ください) |
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